分割法はもう古い。全身法のメリットとメニューの組み方

ボディメイク

「効率よく筋肉を鍛えたい」
「全身法に興味があるけどよくわからない」
「全身法ってどうやってメニューを考えたらいいの?」

少し前までは筋トレがある程度慣れてきたら部位ごとに鍛える日を決めてがっつり鍛える分割法が主流でしたが、最近全身法が話題になっています。

でも、分割法をやってきた人間からすると全身法って本当にいいのかわかりませんよね。

「追い込めなさそうだから筋肥大に効果があるかわからない。」
「めちゃくちゃ時間がかかりそう」
などあると思います。

僕自身そう思って全身法でトレーニングを行っていたのですが、全身法を調べて試してみたところ、自分の認識が誤っていたことに気づきました。

全身法、めちゃくちゃいいです。

この記事では、筋トレを始めたばかりの筋トレ初心者から、筋トレを始めて1年以上経つ中級者に向けて、全身法のメリットとおすすめのメニュについてご紹介します。

全身法とは?

全身法というのは、文字通り1回のトレーニングで全身を鍛えるトレーニング方法のこと。

これまで筋トレ中上級者になると、「今日は胸の日。明日は脚の日」と曜日ごとに鍛える部位を決めてトレーニングをするのが一般的でした。

筋肉には鍛えた後に回復させる時間が必要とされており、大胸筋を鍛えた翌日は大胸筋を鍛えるのではなく、大胸筋を休めつつ、脚や背中など他の筋肉を鍛えることで、効率的に筋肉を鍛えることができると考えられていたのです。

それに対して全身法というのは、曜日ごとに部位を分けるのではなく、毎回のトレーニングで全身を鍛えるトレーニング。胸と背中と脚と肩と腹筋、それぞれに効くトレーニングをおこない筋肉に刺激を与えていきます。

1950年以前は全身法で鍛えるのが当たり前でしたが、1950年以降に分割法の考え方が生まれ、1990年代ごろからは分割法が主流となっていました。ですが、ここ数年で再度全身法に注目が集まり、特にフィットネス先進国であるアメリカでは全身法が主流となるようにまでなりました。

全身法のメリット

◎筋肥大効果が高い

全身法のメリットはなんといっても筋肥大効果が高いことです。

2022年10月には片脚ずつ週1回9セット、週3回3セットずつのレッグプレスマシーントレーニングを行う実験が行われました。

この研究によると、同じ努力値(どちらも限界まで追い込んだ場合)頻度を高く行うことで筋肥大は2〜2.7倍、筋力は16〜19%も増加したという結果が出ています。

◎高頻度でトレーニングが可能

全身法の方が筋肥大効果が高い要因の一つは、高頻度でのトレーニングが可能であるためです。

仮に、週3回の分割法で、胸と三頭筋、背中と二頭筋、脚と肩を鍛えた場合、胸を鍛えてから次のトレーニングをするまでには1週間時間が空いてしまうことになります。

その間、筋肉は回復しているので、筋トレをして刺激を与えないのは勿体無いといえます。

全身法であれば、同じ週3回のトレーニングでも1週間のうちに3回も筋肉に刺激を与えることができるため、より筋肉の発達が期待できるのです。

◎高強度でのトレーニングが可能

全身法が筋肥大効果が高まるもう一つの要因は、より高強度でのトレーニングが可能になるということです。

例えば、分割法でトレーニングをした際に、5種目6種目と種目を重ねるうちに疲労が蓄積されて、最後の種目は最初の種目に比べて強い負荷をかけられなかった経験はありませんか?

1回のトレーニングを通して同じ部位ばかりを鍛えているので、最後の種目は高強度でトレーニングができなくて当然です。

一方で、全身法であれば、同じ部位を鍛えるのは1日1種目から2種目。

そのため、疲労感が少なく高重量で追い込むことができます。

分割法で背中を鍛えている日の最後の種目として懸垂をしたら疲労感で10回しか上がらなかったとしても、全身法であれば背中を鍛える種目は1種目目か2種目目になるので、疲労感が少なくなります。

結果として10回ではなく12回15回、もしくは少し重量を増やしたい状態でのトレーニングも可能に。

より強い負荷がかかるため、筋肥大効果も筋力UPも見込めるのです。

◎筋トレ時間が短くなる

全身法をおこなうことで筋トレ時間が短くなるという魅力も。

これは、種目間の回復時間が短くなるためです。

例えば、分割法で脚を集中的に鍛える日の場合。

スクワットで追い込んでから次にブルガリアンスクワットをしようとしたら、種目間でしっかりと休憩を取らなければならなくなります。

スクワットで脚を追い込んでいるため、脚の筋肉が疲れてしまっているからです。

対して全身法では、同じ部位を続けてトレーニングをすることがないため、息が整えばトレーニングが可能。

スクワットの後にダンベルフライをやったとしても腕は疲れていないので休憩時間が短くてもトレーニングが可能となります。

◎予定を調整しやすい

全身法は予定を調整しやすいという意味で、忙しいビジネスパーソンにこそおすすめなトレーニング方法です。

分割法であれば、週に1回しか筋トレができないため、用事が入ってしまうと、その部位は2週間鍛えられないことになります。

そんなことをしたら、筋肉に刺激が足りず分解されてしまいかねません。

ですが、全身法であれば週に数回鍛えることができるため、「予定が合わず鍛えられない」というリスクを減らすことが可能です。

実際僕も、分割法の時は金曜日を脚の日にしていたのですが、仕事が遅くなることが多く、鍛えられない週が発生してしまっていました。

全身法にしてからというものの、かりに金曜日の筋トレができなかったとしても、他の日でも脚トレをするので、筋肉の分解を防ぐことができるのです。

全身法の誤解

◎回復が間に合わないんじゃないか?

全身法を行う上で、一番誤解されるのが「回復が間に合わないんじゃないか?」ということ。

筋肉の回復には48時間〜72時間かかるといわれているため、全身法を週5回やった日には回復するタイミングなんかないと考えられています。

ですが、これは誤解。

全身法でトレーニングをしてもしっかりと回復することが可能です。

48時間〜72時間しないと筋肉が回復しないという説には根拠はありません。

実際、最新のレビュー研究で中枢神経の疲労は多くの人が思っているよりもはるかに短く数分で回復できることが示されれています。

神経、そして筋肉の回復には多くの時間はかかりません。特に全身トレーニングのように1日でちょっとずつやるようなトレーニングでは回復には1日もかかりません。

また、た全身を鍛えるといっても同じ種目を毎日行うわけではなく、狙っている部位が少し異なるというのも連日トレーニングができる理由の1つ。

チンニングをやる日とデッドリフトをやる日、ワンハンドダンベルローイングをやる日とことなるため、背中のトレーニング自体は週5で行いますが、がっつりと効かせたい筋肉は少し異なるのです。

そのため、背中には絶えず刺激を与えるものの、「昨日は脊柱起立筋がメインだったけど、今日は広背筋」と鍛える筋肉が変わります。なので24時間で全身をトレーニングしても問題がないのです。

◎追い込めないんじゃないか?

全身法が否定される他の理由として「追い込めないんじゃないか?」という意見も。

分割法で胸だけ7種目8種目とやっていると筋肉もパンプしますし、疲労感がすごく出ます。最後の方の種目はなかなか重量も上がりません。

全身法だとそういった「追い込んでいる」感覚がないためあまり良くないと考えられてしまうのです。

結論からいうと、全身法でも問題なく筋肉に必要な刺激が手に入ります。

そもそも筋力UPや筋肥大に必要なことは分割法で感じている「追い込む」という行為ではありません。

仮に最後の方の種目の追い込んでいる感覚が重要であるのであれば、筋肉に効果があるのは最後の種目だけで、最初の方でBIG3をやったり重点種目を行なっても意味がないことになってしまいます。

筋肉が張ったり、「疲れた〜」と感じたいのであれば分割法で追い込むのも効果的ですが、筋肥大や筋力がUPしているわけではありません。いうなればただの自己満です。

むしろ「これから胸だけで8種目もやるからな」と全体を考えてペース配分をしてしまうかも。

それよりも1回のトレーニングで鍛えるのは1種目2種目程度にしてその分全力でトレーニングをした方が効果的といえます。

◎時間がかかるんじゃないか?

全身法は分割法よりも時間がかかりません。

単純に、インターバルの時間が少なくて済むからです。

分割法の場合、同じ部位を鍛え続けているので疲労が蓄積され、次のトレーニングを行うまでに必要な回復時間がかかります。

一方で、全身法であればベンチプレスの後にチンニング、その後にブルガリアんスクワットと全然別の筋肉を鍛えるため回復の時間を取る必要がありません。

息が整えばトレーニングができます。

「種目が増えるんじゃないか?」という意見もありますが、種目は増えません。

多くの場合、1週間というスパンで分散をさせて分割法と同じボリュームの筋トレを実施します。

種目やセット数は変わらずインターバルの時間が減れば時間が短縮できるのは当然です。

全身法のメニューを考えるポイント

全身法への興味が持ててきたところで、実際にどうやってメニューを考えればいいのか?ということをお伝えします。

難しそうに思うかもしれませんが、押さえておくポイントは3つだけです。

◎PPLの順番を意識する

PPLというのはプッシュ、プル、レッグのこと。

筋トレはこの3つにカテゴライズすることが可能。

どれから始めてもよいのですが、連続して同じカテゴリーの種目を行わないようにしましょう。

同じカテゴリーのトレーニングをしてしまうと、全身法の魅力である「疲労が蓄積されにくくトレーニングの質が上がる」というメリットが弱くなってしまいます。

プッシュ種目のベンチプレスをやったらプル系種目のチンニングか、レッグ系種目のブルガリアんスクワットなど別のカテゴリーの種目を行いましょう。

◎コンパウンド種目から始める

トレーニングをする際は、コンパウンド種目から始めましょう。

アイソレート種目が悪いわけではないのですが、コンパウンド種目をおこなうことにより全身に刺激がはいるからです。

◎BIG3は一緒に行わない

BIG3は一緒におこなわないようにしましょう。

BIG3は負荷が大きいので、1日でおこなうと疲労が大きく怪我のリスクにもなるからです。

全身法のメニュー

実際に僕がおこなっている全身法をご紹介します。

現在は可能な限り5日ジムに通いトレーニングをするようにしています。

火・水はOFFにしています。

1セットで限界を迎えるのではなく、マイセット少しずつ負荷をかけ3セット目で限界を迎えられるのが理想です。

全身法で理想の体に

以上、全身法のメリットと誤解されがちな全身法のポイントについてお伝えをしました。

最新の研究では高頻度でトレーニングを行う全身法こそ最も効率の良いトレーニング。

全身法でトレーニングを行い理想の体を作りましょう!

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